研究会・調査活動  >  活動報告  >  第5回 おおさか自治体学校 ― なにわ創生21  くらし・文化・地方自治再生をめざして

第5回 おおさか自治体学校
   ― なにわ創生21  くらし・文化・地方自治再生をめざして

地元の多大な支援で成功

 第5回おおさか自治体学校は「なにわ創世21−くらし・文化・地方自治再生をめざして」をテーマに、9月1・2日の両日、吹田市万博公園のホテルオオサカサンパレスで、192名が参加して開催されました。

 内訳は自治体労働者が116名、市民・議員が38名、報告者等が38名でした。このうち地元吹田の参加者が63名と多く、地元の参加に支えられて成功しました。

 初日の午前中は大阪市水道局水質試験所の中村寿子さんの案内で「淀川の自然探訪」を行いました。

 今年も昨年にひきつづき、コーディネータ、報告者、予定討論者をたて、討論は全員で行って深めるという「セッション方式」を採用し、とくに今年は報告者と予定討論 の連携に注意して準備をすすめました。

 参加者の感想の中では、「盛りだくさん、つめこみすぎ」、「会場からの発言をもっと多く」という意見もあった一方、「大阪の自治体、住民、文化の全体をとらえることができた」という意見もありました。運営に工夫をすれば、このセッション方式の長所がもっと発揮できるのではないかと思われます。

今回の自治体学校のねらい
   −内発型地域づくり

 鶴田廣巳・実行委員長は、主催者あいさつにおいて、明治の「蚊取り線香」にはじまる「大阪発のヒット商品」の歴史的推移をふりかえり、「80年代以降、数が極端に減り、それが大阪の製造業の衰退を反映しているのではないか」と指摘。他方、全国一の「埋蔵文化財調査届出件数」にみられるように、大阪湾岸の開発をはじめ土建型開発行政の典型例を示しているという実態に言及し、この学校で大阪の内発型地域づくりの展望を探ろうと提起をしました。

感銘を受けた文化企画

 一日日の夕方、今回の目玉の一つ・特別企画「上方の芸能」が第汽札奪轡腑鵑諒鷙霄圓任發△覦聨茎莠さん(かみがた活性化研究会)の協力で開催されました。星田都雨山氏の尺八演奏とお話、井澤さんの解説による文楽人形浄瑠璃は、参加者の深い感銘を呼びました。日ごろ、上方芸能に接する機会がないだけに自治体学校の参加者はこの企画を心待ちにしていたようでした。

 くらし・文化・地方自治を
   どう再生するか

 重森曉・理事長は二目日の総括講演の中で、この自治体学校を通じて、地域経済のきびしい実態が、全国一の路上生活者、生活保護の急増をはじめ住民のくらしに反映していることが浮き彫りとなり、そのことが深刻な自治体財政危機のベースになっていると指摘。

 また、上方文化は江戸時代以来、日本文化の大半を占めていたが、とくにその発信力が80年代以降、うすれてきたのではないかと強調。このことと黒田府政が保守府政に転換し、ベイエリアの大規模開発を産業再生の起爆剤としようとして、失敗したことと符合するのではないか、と指摘しました。

 では、くらしと地方自治をどう再生するか、重森氏は次の五つの視点を提起しました。

 (1)次世代に維持可能な地域社会をどう残すか、(2)中小企業の都市・大阪を基盤に地域産業の発展をどのようにはかるか、(3)大阪の文化や個性をどのように継承し、発展させるか−大阪らしさの発見と活用、(4)くらしの再生を市民と自治体が協同で行う。(5)行政の役割について、公的機関が公共サービスの提供主体となること−市場原理ではできない住民の潜在能力の発見とその実現。

 そのほか、自治の単位としての小学校区および都市内分権化の重要性や住民運動の持続について、使命感ではなく面白さや自己実現の契機を重視するなどの指摘をされました。

印象的なキーワード

 基調シンポジウムや第汽札奪轡腑鵝癖顕宗ε租・生活様式)で中で提起された、「都市とは記憶の積み重ねである」(橋本寛之氏)や「都市はストックである」(西堀喜久夫氏)が今回の自治体学校−「なにわ創世21」における印象的なキーワードではなかったかと思われます。

 従来型の文化遺産やストック破壊のペイエリア・大規模開発型都市づくりではなくこのような「記憶の積み重ね」や「ストック」が活きる都市づくりをすすめることがもとめられるでしょう。

 これから、研究所の活動やおおさか自治体学校で深めていくべき重要なテーマです。
 最後にこの学校の成功のためにご尽力いただきました関係者の皆様にあらためて御礼を申し上げます。

【参考】第5回おおさか自治体学校

基調シンポジウム
・ 自治を尊ぶ大阪文化 橋本寛之(阪南大学)
・ 暮らしの現実と福祉 藤井伸生(華頂短期大学)
・ 自治体改革の争点 後藤田弘(大阪自治労連・衛都連)

セッションI  文化・伝統・生活様式
・ 上方の伝統文化とUSJ 井澤壽治(かみがた活性化研究会)
・ 多重債務者の生活再建 ききょう道場の取組から 松江幸三(東大阪東部民主商工会)

セッションII  くらしと社会保障
・ 高齢者介護に関する住民生活調査 景山昭宏(吹田市高齢福祉課・ヘルパー)
・ 大都市・大阪市民のくらしと健康 谷口積喜(大阪市研究会・ケースワーカー)

セッションIII  環境とまちづくり
・ 寺内町のまちづくり 葭谷武雄(富田林寺内町をまもりそだてる会)
・ 大阪発・環境問題の展望と行政の関わり 芹沢芳郎(大阪から公害をなくす会)

セッションIV 地域経済と自治体
・ 財政危機と市民の暮らし 高道一郎(泉佐野市職員労働組合)
・ ものづくりと地域経済振興条例 今仲茂(八尾民主商工会)

総括講演
 重森曉(当研究所理事長/大阪経済大学)

(文責/事務局長 織原 泰)

上記、行事での当日配布のレジュメ・資料等、及び報告集等について必要な方は、(社)大阪自治体問題研究所までお問い合わせください。

ただし、残部数の関係でご希望に添えない場合もあります。また有償によるものもありますので、ご承知おきください。
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