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シンポジウム「市民の視点から市町村合併を考える」

 研究所は大阪白治労連と共催で11月25日(土)午後、大阪市内でシンポジウム「市民の視点から市町村合併を考える」を開催し、90名が参加しました。

 基調提案にたった木村雅英・常務理事は、「自治省が10月、大阪で開催した官のシンポジウムに対して、今回のシンポジウムは民の立場から行うもの、なぜいま市町村合併なのか、市民にとってどんなメリット・デメリットがあるのか明らかにしたい」と提起。

 基調講演は中西啓之・都留文科大学教授が行い、「今日の市町村合併は広域再編が先にありきで、分権をあとにくつつけているのではないか」と批判。「自治省は都道府県に計画を作らせたが、実際に進むかどうかはこれから、直接請求による合併協議会が否決された例は可決された例の三倍ある」と運動の展望を示し、「市町村合併された全国の事例をみると住民サービスの低下と一体となつて効率化が進行している」と指摘。「自治の単位は、実質的な住民参加が可能なせいぜい五万人が最大限。大都市の場合はコミュニティ活動を活発化させる住民自治の組織を考える必要がある」と提超しました。

 シンポジウムでは、府合併要綱素案作成に携わっている大阪府市町村課振興広域グループの美濃喜介課長補佐が「要綱は押しつけるものではなく、議論の参考にしてもらうもの。合併の背景には日常生活圏の拡大、行財政基盤の強化、財政の簡素効率化がある」と発言。都市行政コンサルタントの初村尤而氏は「財政危機の原因は税収の落ち込み、景気対策としての公共事業の破綻、生活インフラと地方税財政制度とのミスマッチで、規模が小さいから危機に陥ったのではない」と提起。藤井伸生・華頂短期大学助教授は「福祉行政は対象者が見える日常生活圏を単位にしたサービス供給が基本」と発言。岩下信幸・守口市会議員は「三市のくすのき広域連合は、市民の目が届きにくくなることは明白」などと発言。

 四人の発言をうけ、重森暁・大阪経済大学教授は「美濃氏はクルマによる日常生活圏の拡大を合併の理由にあげたが、高齢者や障害者など弱者の視点に立つと日常生活圏はむしろ狭域が基本だ」など、いくつかコメントしました。

 フロアからは藤永のぶよ・おおさか市民ネットワーク代表が環境の視点から「循環型社会の形成からすると規模の小さい自治体がむしろ先進的」、徳丸幸夫・千早赤阪村村会議員が「合併すると村独自の就学前児童の医療費無料化制度が後退しないか心配」と発言。

 さいごに中西教授が「自治省や大阪府は合併を強制しないというのだから、大いに合併の是非を議論してほしい。小さくてもすばらしい自治体が全国にいくつもある。小さな自治体でもよいという誇りをもってほしい」と総括的な発言を行いました。

 今回のシンポジウムは、府の担当者も参加していただくなど密度の濃い内容のものとなりました。こうした取り組みを市町村レベルでも広げていくことが求められます。

文責 織原 泰

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