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自治体学校・交流会「韓国の民主化闘争の歴史を聞く」に参加して

2008年7月25〜27日に開催された「第50回自治体学校 in 大阪」は参加者1800人を超え、大阪からも650人の参加があり、成功裏に終了しました。今回の学校には当研究所と交流のある釜山から20名が参加し、日韓特別企画が設けられました。本誌では、交流会に参加された堺市職労の中村さんのレポートを掲載します。

堺市職員労働組合 中村晶子

 講師の黄漢植(ファン・ハンシク)氏(釜山大学教授)は、今回の自治体学校に20名で参加された韓国からの訪日団の団長です。昨年9月、釜山で開催された韓日地方自治フォーラムでご一緒させていただいたので、久しぶりの嬉しい再会となりました。いつもは地方自治・地域政策の専門家として、アカデミックなお話を聞くことが多いのですが、今回は先生自身が民主化闘争にかかわった経験をお聞きするという、得難い機会となりました。

 黄教授は韓国南部の馬山の隣町の出身で、1960年、中学生の時に、李承晩政権の不正選挙に反対し、政権を打倒した「4・19民主革命」を経験されたそうです。この時は、デモに参加していて当局に殺された高校生の死を、政府が隠蔽しようとしたことをきっかけに、民衆の怒りが頂点に達し、最終的に李承晩大統領は辞任、ハワイに亡命しました。

 その後、黄教授は、ソウルの「クリスチャン・アカデミー」で農民運動や労働運動の組織化の仕事に携わっておられた1979年3月逮捕され、二度の裁判で無罪を勝ち取るまで、40日間、韓国中央情報部(KCIA)に拷問を受けていたそうです。

 今年、日本で公開された映画『光州5・18』で描かれた1980年の光州事件の時は、ソウルで光州行きのバスに乗ろうとしていて、もし、そのまま光州に向かっていたら、市民軍とともに銃を取り闘っていて、今この場に居ることはできなかっただろうという言葉に歴史の重みを感じました。

 韓国ではソウルでの100万人デモなど大規模な国民的運動の結果、1987年6月に全斗換政権を屈服させ、直選制改憲を骨子とする真の民主化を実現させました。

 今年6月に、BSE問題に端を発したソウルでのキャンドル集会では高校生など若い人たちが、インターネットなどを介して呼びかけあって、政権を揺るがす大規模な運動に広がったそうです。大統領直接選挙制とも関連して、中央政府に対する運動の盛り上がりは、日本よりも韓国が大きいようですが、地方分権や住民自治の拡充をめぐる取組はまだまだ不十分だということでした。

 黄教授は、現在、釜山大学でNGO活動などをしている市民が地方自治を体系的に学ぶ講座を開設し、釜山分権革新運動本部を中心に、地域均衡発展、民主的地方分権をめざす運動の先頭に立っていらっしゃいます。今回、自治体学校に参加されて、韓国でも、市民、自治体労働者、研究者がともに学び合う自治体学校のような取組を立ち上げたいという決意を表明されました。

 黄教授のお話を聞き、民主主義の社会を実現するためには、こんなにも長い運動と犠牲が必要だったのかということを改めて感じ、今後も隣国として交流を深め合いながら、学び合いたいと思いました。

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