出版物  >  月刊誌(おおさかの住民と自治)  >  あのまちこのまちから  >  あのまちこのまちから1:棚田中心に広がる新しい市民協働と村おこしの形 [2012年12月号]

棚田中心に広がる新しい市民協働と村おこしの形

「日本の棚田百選」に選ばれた下赤阪の棚田は、峰の頂上にある下赤坂城跡から西に広がっており、行政区は千早赤阪村と富田林市にまたがっています。この棚田が「棚田守りたい」の活動の場です。耕作者が病気のため2年間放置されていたのを「棚田を守りたい」に集まった人々が復活させたのです。10月20日に、「棚田を守りたい」の方が8回目の稲刈りをするというので取材に伺いました。

大阪唯一の村

千早赤阪村は赤阪地区6集落、千早地区は6集落と小吹台からなります。赤阪地区は村の北部で、村役場や公共・公益施設が立地し、世帯数は759世帯、高齢化率は23・4%です。千早地区は金剛山登山口に位置する住宅街で、内6集落の世帯数は550世帯、高齢化率は31・8%です。小吹台は昭和49年に村の西部に新興住宅地として建設された団地で、世帯数は813世帯、高齢化率は19・3%です(平成17年国勢調査、参考:千早赤阪村地域福祉活動計画)。

村には合併話もありましたが、2009年の村議会で河内長野市への編入合併が否決され、大阪府唯一の村として残りました。しかし、人口は、平成22年6015人で、平成17年からの人口減少率は能勢町・豊能町に次ぎ8%と大阪府下3番目です。また、15歳未満人口は平成17年で10・6%と府域で最も少なく、2つあった小学校は2007年から1つとなっています。

「棚田を守りたい」の活動

棚田では61名が集まって稲刈りに精を出していました。会員や会員の知人が33名、大阪経済大学生3名、東大阪の保育所の保母さん13名と5歳児12名です。

事務局長の鈴木鉄雄さんに経過を伺うと、2005年に耕す意思のある人に休耕地を貸してもよいとの話が出たのをきっかけに、小吹台住民が中心となって12世帯が集まり1反5畝を借り、2007年にはメンバー18軒、賛助会員(オーナー)3人、通信会員6人、借り上げ面積も3反となって「棚田を守りたい」が立ち上がったとのことです。

2年間放置されていた棚田では草が背丈にも達し、月2回草刈り日として15名で作業、田んぼの畦づくりは経験者がおらず、2年目には隣地の人が指導してくれるようになったとのことでした。現在、草刈りは月2回土曜日と日曜日に行い、参加者は15人から18人です。その他、イノシシ対策、土手の補修、水利組合割り当ての水路清掃、田植えや稲刈りの時には週数回来るそうです。

メンバーは、休耕地を借り、棚田を耕作、管理します。構成員は、小吹台の9家族、赤阪地区の森屋、水分、富田林市、羽曳野市、阿倍野区各1家族の計14家族、年齢は45歳から77歳で、小学生まで経験がある1名以外は田植えの経験のない都市住民です。今では定年退職した元気な高齢者がこの会の牽引力のようです。
オーナーは、日常的な管理はしないけれど、会費1万円を払い田植えや稲刈りなどに参加し、棚田米5キロを受け取るそうです。

収穫は、2009年に1155圓泙覗えましたが、1枚の土手が壊れ修復後はその田に水を入れずそばを植えたので以降減少、メンバーへの米の配分は、60堊宛紊世辰燭里今は30圓阿蕕い箸里海箸任后

参加者の声

棚田には、米(日の光)、もち米、そば、サツマイモが植えられていました。

メンバーの方に、千早赤阪村の住み心地を伺うと、河内長野からバスで15分、車で10分と便利で、市内とは異なり空気がおいしく、見晴らしがよく、涼しいとのことでした。

メンバーではない70歳の方は、健康のため隔週の土日農作業に参加、ボランティアの方は、土手が崩れたときに補修を手伝ってから参加するようになったとのことです。

河南町から稲刈り機持参で参加しておられる方は、50歳ぐらいに河南町に引越して本格的に農業を始めたそうで、1・5反の田んぼと0・5反の畑を耕作していて1反で420圓諒討とれるとのことでした。棚田の感想を聞くと、土手をつくらないといけないので効率は悪いが、風通しがよいので米がうまいとのこと。

大阪経済大学の学生は、調査課題が地産地消の経済で、地元の産物を使って地域の名産品を作る試みをしたいとのことでした。

東大阪のドングリ保育園の園長さんに参加理由を伺うと、東大阪だと農薬の心配もあり、理事長の勧めでここで農業体験を子供たちにさせることになり、今年で7年目になる。5歳児に田植えと稲刈りを経験させたあと、いも掘りもさせてもらっている、できた米は5圓い燭世保育園で調理しているとのことでした。

村では、大阪ミュージアム構想を受けて棚田祭りが始まり、11月10日に第4回目の棚田祭りが行われます。棚田を中心に、年金生活者が農に従事して市民協働のけん引力となる新しい村おこしの形が生まれつつあるように思えました。(報告者 横溝幸徳)

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