トップ  >  日本政府にTPP 交渉から撤退することを求める [2014.9.26]

日本政府にTPP 交渉から撤退することを求める

2014 年 9 月11 日
大阪自治体問題研究所理事会

 2013 年 3 月15 日、安倍首相はTPP 交渉に参加する旨を表明し、同年 7 月末から日本政府は交渉に参加している。これまでの交渉内容はほとんど公表されず、国民は一部報道の推測記事によってしか交渉のようすを伺い知ることはできない。

 しかしながら、TPP 交渉は、物品の関税撤廃だけでなく、食の安全、保険・共済、医療、公共事業、雇用、知的財産権など、幅広い分野にわたる取引・契約ルールが対象になっており、TPP 協定への参加は、国民生活全般に重大な影響を及ぼすことが懸念されている。

 日本政府は、すでに米国の要求にそって、牛肉の輸入月齢緩和やがん保険の郵便局窓口販売など、日本市場の開放を行ってきた。TPP 交渉と並行して進められている日米2国間協議では、米国から自動車、農産物の関税撤廃が求められており、米国通商代表外国貿易障壁報告書等の要求項目である、食の安全基準や医療、公共事業、保険、自動車、通信分野などの市場開放、規制緩和が迫られている。

 米国議会下院の民主党議員の75%の議員がTPA(貿易促進権限)に否定的な立場を表明(2013 年11 月)し、2014 年 1 月には全米労働総同盟ほか550 団体超がTPA 法案に反対する旨の書簡を議会へ提出したと伝えられている。オバマ政権は、TPA を取得しないままTPP 交渉に当たっており、議会などの米国に有利な交渉を求める強い圧力を受けて、日本政府に対して強硬姿勢を崩すことができない状況となっている。

 安倍内閣は、2014 年 6 月、「骨太の方針2014」、「日本再興戦略改訂2014」を、閣議決定した。これらの規制緩和政策の特徴は、国民生活を犠牲にして、大企業・多国籍企業の利益を優先することにある。法人税減税・消費税増税、医療をはじめとする社会保障・教育制度の市場化、雇用制度の破壊、農業・農政分野の市場化、各種の民営化政策は、TPP協定への参加を前提として計画化された政策でもある。安倍内閣が志向する成長戦略は、大阪における国家戦略特区の具体化として、先端医療特区構想や大都市の国際競争力強化を口実にした再開発、企業誘致、カジノ誘致が目論まれているが、安全・安心な生活を求める大阪府民の要求に応えないものである。

 大阪自治体問題研究所は、大阪の地方自治を発展させ、憲法に基づいて府民生活を擁護する立場から、安倍内閣が推し進めるTPP 協定参加は国民生活を破壊に導く道であり、認めることができない。よって、大阪自治体問題研究所理事会は、安倍内閣のTPP 交渉について、以下のとおり、見解を公表する。

 ?安倍内閣がTPP 交渉に臨んでいる姿勢は、衆参農林水産委員会の国会決議に反しており、認められない。

 ?TPP 協定参加が国民生活に重大な影響を及ぼすにもかかわらず、交渉内容等が国民に情報公開されていない。政府は、国民に対してTPP 交渉にかかる情報を公開すべきである。

 ?TPP 協定の参加によって、国内の市場開放を一層迫られることは明らかであり、国の形を変え、国民生活を破壊に導くこととなる。日本政府はTPP 協定に参加すべきでない。

 ?大阪の住民自治ならびに住民生活の擁護・発展を考えた場合、安倍内閣はTPP 交渉から早期に撤退すべきである。

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