調査レポート リサーチ21
ごみ減量化・リサイクルの実態調査
− 大阪府下44市町村の事例

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1 調査の背景と目的

ゴミの写真 ダイオキシンの問題が表面化してから、ごみ問題や環境問題への関心は急速に高まっている。
 これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄を見直し、循環型社会へ転換が必要であるにもかかわらず、ごみ問題に関する各自治体の対策等の取り組みは明らかになっていない。
 そこで本調査では、大阪府下における各自治体のごみ問題に対する取り組みの現状を把握し、ごみ減量化・リサイクルヘの糸口を見出すことを目的とする。

2 ごみ総量

 ここでは、大阪府下44市町村におけるごみ総量を「大阪府下の一般廃乗物」(大阪府環境農林水産部環境整備課)をもとに把握した。ここでの「ごみ」とは、家庭系、事業系ごみを指す。
 ただし、阪神淡路大震災の影響で、1994、1995年度にはごみ排出総量が増加している。したがって、大阪市、豊中市、吹田市は「激震地指定」となっているため、ごみ排出総量が多くなっている。

図1 図2

(1)一人一日当りのごみ排出量

 1人1日当りのごみ排出量が多い上位5自治体は、大阪市、田尻町、泉佐野市、摂津市、泉大津市であった(図1)。特に大阪市は、事業系ごみが大量に出ると考えられることから、排出量が多くなっていると思われる。1994年度から1996年度にかけて、ごみ排出量は、5市すべてでほぼ横ばい傾向にある。
 また、ごみ排出量が少ない順に、能勢町、太子町、島本町、河内長野市、豊能町であった(図2)。ごみ排出量の多い5市と比較すると、1994年度から1996年度において、排出量が年度によって大きな幅がある。

図3図4

(2)資源化率

 資源化量をごみ総排出量で割ったものを資源化率とする。資源化率が高い上位5自治体は、岬町、太子町、島本町、熊取町、美原町であった(図3)。
 1994年度から1996年度までの傾向をみると、岬町は3年間で、2倍以上資源化率が伸びている。その他4町は1994年には8000トン以上であったものが、1996年には1万トン以上になり、確実な増加傾向を見せている。
 また、資源化率が低い順に、大阪市、茨木市、摂津市、羽曳野市、柏原市であった(図4)。羽曳野市は、少しずつだが、減少傾向にある。それ以外の4市は増加傾向にあり、1996年度には、すべての市で1000トン以上になっている。町において積極的に取り組まれているが、これは市と比べると計画収集人口、計画処理区域の規模が小さく、自治体の取り組みや意向が反映されやすいためと考えられる。

3 集団回収(廃品回収による資源化ごみ)

図5図6

 集団回収量を把握していない自治体もあることや資料がない自治体があるため、44自治体すべての比較はできなかった。ここでは、資料を得た24自治体を比較した。(ただし、自治体によって収集内容が多少異なる。)
 集団回収されるごみは、主に、新聞紙、雑誌、段ボール、ボロ布、ビン、古着、牛乳パックなどである。例えば、大阪狭山市では、新聞紙、雑誌、ボロ布を回収している。集団回収団体数の変化を年度別に見ると、団体数は増加しており収集量も増加している。上位5市では、安定した伸び率を表しているのに対し(図5)、下位5町村では、能勢町以外の4町村で、100トン未満から300トン以上に急激に増加している(図6)。全体的に見ても、集団回収率は増加している。

4 ごみ減量化への取り組み

 ごみ減量化への新しい取り組みとして、今回は、八尾市の指定袋制を紹介することにする。八尾市では、1996年10月から5種分別収集を指定袋制導入により、ごみ減量化に努めている。
 ごみの排出一回一袋を基本とし、可燃袋(45リットル)52枚、資源袋(35リットル)14枚、埋立袋(35リットル)6枚、複雑袋(35リットル)6枚を半年分の基本的なセットとしている。これは、年に2回、自治会、町会の組班長により支給されている。指定袋制を導入後、1年間で約8100万円の経費削減につながった。これは、八尾市民一世帯当たりに換算すると、約806円になる。

5 まとめ

 一人あたりのごみ排出量や資源化率を見てみると、各自治体によって大きな差が見られた。これは、各自治体によって減量化に向けての取り組みに差があるためと考えられる。また、この取り組みには、計画収集人口、計画処理区域の規模が何らかの影響を及ぼすと思われる。しかし、例えば八尾市のように、指定袋制を導入している自治体もある。
 リサイクルに関しては、分別収集、集団回収を積極的に行い、リサイクルセンター等の処理施設を設置することが必要である。そのためには、補助体制を整えることが求められる。また、ごみ減量化に関しては、各市町村にあった独自の取り組みを考えていかなければならない。

リサーチ21(Twenty-One)
   西 英子、宮川 智子、佐藤 民枝(以上、奈良女子大学大学院)
   出口美紀子(大阪大学大学院)
監修 森 裕之(大阪教育大学助教授)

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 本レポートは、「おおさかの住民と自治」通巻245号(1999年5月)、1999/5/15発行 から転載したものです。著作権法に基づき論文等へ引用する際には、出所を明記してください。