大阪自治体問題研究所の自主研究活動のご紹介

 

大阪市研究会

大阪市の全体像の解明をめざす

 1992年6月に開催された大阪自治体問題研究所定期総会で自主的研究会活動充実の一つとして「大阪市に関する研究会」を発足させることが決定されました。92年11月21日に研究所が「大阪市研究シンポジウム」(市立大学植田教授、加茂教授ら)を開催しましたが、これをきっかけに準備会がもたれ、93年1月に20数名を超える参加者を得て大阪市研究会を誕生させました。

 毎月、研究所会議室を借りて10人から15人位の参加で例会を行っています。当初は、大阪経済大学重森暁先生に、95年から大阪市立大学遠藤宏一先生、大阪教育大学の森裕之先生に助言者として参加していただいています。参加者は、市労組組合員が中心になっていますが、テーマによっては幅広い層からも参加してもらっています。98年2月には5周年記念例会として大阪城天守閣渡辺武館長を迎え、一般市民も含め103人の参加で成功させています。例会のあと必ず「研究会ニュース」(99年11月で第62号)で報告するようにしてきました。市労組機関誌「情報ねっとわーく」にも再録されていますが、市労組組合員からも時々「大阪市政研究会」と間違っていわれます。単なる「大阪市政研究」ではなく、大都市大阪市の現状を把握し、問題点と課題を明らかにするという「壮大」な思いで研究会をすすめています。

 昼夜間の人口数、経済力、伝統と文化など「巨象」を前にして全体像をつかむことは、なかなか大変なことです。91年以降、4年ごとに大阪市労組連が、「大阪市政白書」を発行してさましたが、その多くのテーマが、市研究会での研究発表がベースになっています。

 これまでの「あゆみ」は、資料のとおりですが、(1)都市経済、都市構造の解明、(2)都市生活・住民生活の実態解明、(3)都市行政・財政の実態解明、(4)市民自治・市民運動の把握、(5)行政区毎の地域状況と課題の明確化など5つのテーマにわけて基礎的な研究討論を行ってきました。中断している「行政区シリーズ」の再開、関西財界主導の経済再生=「関西広域連携協議会」路線ではなく、中小企業の活性化による経済再生の方向など経済問題、防災を含めた安全で安心して暮らせる環境問題、大阪行財政研究会・大阪地方税研究会、大阪府行財政研究会との合同研究会の実現、市民運動との連携など、やるべき課題は山積しています。「魅力ある企画」、効果的な宣伝を行うため事務局体制の確立も大きな課題です。会員のみなさんにも企画に参加していただきいっそう充実した研究会にしていきたいと思っています。

大阪市研究会  林 弘訓

[ 資料へ ]

 以上の文章は資料も含め、「おおさかの住民と自治」1999年12月号より転載したものです。

 

まちづくり委員会(住民がつくるまちづくり運動推進委員会)

 まちづくり委員会(住民がつくるまちづくり運動推進委員会)は、第6回例会を、5月28日に開催した。参加者は13人である。

 今回は、住民のねばり強い運動が街をまもった貴重な二つの運動実例を報告してもらった。
 一つは、大阪市都島区の団地群に隣接して開店したゲームセンター問題。都島区労連事務局長で、地元の大阪市立都島工業高校の教諭である大野史朗さんから報告してもらい、PTAの役員として母親らの反対運動をリードした赤司真智子さんに補足してもらった。

 「住民と自治」6月号で詳しく紹介されているが、住民の強い運動にもかかわらず進出を強行した大規模なゲームセンターが、営業開始1年後の今年1月末日をもって撤退に追い込まれた事例である。

 もう一つは、大阪市北区の西天満場外馬券売場建設反対運動。この運動の推進役となった借地借家人組合の水野信夫さんから報告してもらった。進出が計画された堀川戎周辺は、天満郷といわれる歴史のある街である。衰退する商店街の活性化になれば、という期待も一部にあったが、場外馬券売り場の実際を見たり開いたりするなかで確信を深め、背景にある関西テレビの社会的責任も問いながら、断念に追い込んだものである。

 世話人の1人である中山徹さん(奈良女子大)は「運動の継続こそ、教訓である」と結んだ。
 
 第7回例会は、9月24日(金)、午後2時から「地方分権一括法」と「開発まちづくり行政」というテーマで、中山 徹氏(奈良女子大学教授)の報告で開催しました。

 なお第8回例会は、2000年1月28日(金)に開催する予定です。