第9次岸和田市政白書 財政問題中間報告

2章 財政健全化を市民とともに 

 4節 市民参加で財政健全化をすすめる 

 岸和田市の財政健全化の取り組みは、その内容もさることながら、その方法にもっと大きな問題がある。市民に財政難の状況を知ってもらうために財政情報を公開し、市民参加、市民とともに財政の健全化をすすめるという視点が欠けている。市財政が直面している困難さは市内部だけで打開すべきものではない。

 そもそも市には財政状況の良し悪しにかかわらず、財政状況を市民にわかりやすく説明する責任がある。いわゆるアカウタビリティは地方分権時代の財政運営の基本原則である。まして今日のように財政危機に直面している時期には、その原因をふくめて直ちに市民にわかりやすい形で公開しなくてはならない。市民とともに財政の健全化を進める「市民参加型」へ転換するチャンスである。公共事業の拡大による借金増大も財政悪化の一因であるとの自己批判もふくめて率直に市民に説明し、ともに考える姿勢が必要である。とくに、事業をおこなうにあたっては必要事業費の財源のなかに後世に多くの借金のツケを残すこともあることを含め市民の十分な納得を得ておかなくてはならない。

 市民参加の具体的な方法として、市民へのきめ細かい説明と意見を聴く取り組みが必要である。岸和田市には、総合計画マスタープランの策定前に「校区ごとの説明会」などをおこなった経験がある。この方法を財政問題でも実施してみてはどうか。もちろん、関係団体との説明と協議をすべきは言うまでもない。

 今後の市財政のあり方を検討するために、市議会に特別委員会の設置を要望してはどうか。また、それにとどまらず、市民レベルでも、一定の権限を持った「財政のありかた市民委員会」(仮称)を分野別・校区別に設置することを提案する。この委員会は、少人数の団体代表による委員会ではなく、公募による多人数の組織とする。

 市民参加型健全化の大前提は財政情報が公開されていることである。財政運営に市民も参加するという実例は全国的にも皆無に近いことから、これが実現すれば岸和田市がいう「先駆的自治体であり続ける」試みともなるのではないか。

2000年11月
岸和田市地域調査研究会
  (社)大阪自治体問題研究所
  岸和田市職員労働組合