あのまちこのまちから?
都島自治体学校プレ企画  都島まちづくりウォッチングを開催
大阪市役所労働組合 書記長  田所 賢治

 大阪自治体問題研究所の主催により3月16日(日)に開催される「都島のまちづくりと都構想を考えるつどい」都島自治体学校のプレ企画として1月21日(水)に防災、子育てをテーマにした「都島まちづくりウォッチング」が開催されました。

 平日の午後からの短時間でのウォッチングでしたが、昨年の豪雨で浸水がひどかった地域での被害内容を聞き取る調査と河川敷公園が水没した淀川の堤防沿いを見学した後、橋下市長のもとで、株式会社の参入による民営化がすすめられている保育園の建設状況について検証しました。

 平日の開催でしたが、10名を超える区民と区内労働組合役員数名の参加がありました。

ゲリラ豪雨で街はどうなる

 昨年9月16日、大和川周辺の住民約30万人に避難勧告が出された台風18号による都島区の被害状況について、浸水のひどかった毛馬町、友渕町を中心に調査しました。ゲリラ豪雨により下水が道路にあふれだし、多くの住宅が床下浸水となったことが地域の住民から報告されました。

多くの住居が床下浸水に、根本的な解決が必要

 都島区の北部にある毛馬町は大川と淀川に隣接し、多くの住宅が、大川沿いの道路より低い位置に建設されています。訪問した住居は、大川沿いの道路と360戸の高層マンションに挟まれた場所にあり、道路側からの流れてくる雨水と高層マンションから排出される下水とが合流するため、下水管へ繋がる排水会所から汚水、雨水が逆流、溢れ出し、短時間で床下浸水したとのことでした。住民からは、「建設局に緊急処置として、排水会所を増設してもらったが、下水管の排水能力が限界のため、根本的な解決とはなっていない」との意見がでていました。

広域避難所も水没する危険性が

 毛馬町の北側にある淀川河川敷の公園の野球場やテニスコートは水没し、設置されている簡易トイレも流されてしまったことや人も流されたことが報告されました。この河川敷に隣接する毛馬公園は避難場所に指定され、災害時の仮設トイレの設置場所となっています。しかし、仮設トイレの設置数の約6割(34ヵ所中22ヵ所)が毛馬公園に集中する計画となっており、区内全域に設置ヵ所を増やすべきです。

豪雨の夜は眠ることのできない街(地域)

 友渕町は、繊維工場(鐘紡)の跡地にマンションが建設された街です。約7,500世帯、約20,000人(都島区の2割)が居住する大規模マンション群の街となっています。この友渕町でも浸水が発生し、マンションに隣接する住宅やショッピングセンター前の道路などが浸水しています。マンションに隣接する住民は、「建設局に電話しても職員(作業員)が削減され、対応できないと言われているので、常時自宅に土嚢を30袋程常備している」「豪雨の時は夜も眠れない状態だ」と話してくれました。参加者からマンション建設(人口増)に対し、インフラ整備が不十分ではとの感想が出ていました。ショッピングセンターの倉庫前には、土嚢が積まれたままとなっていたのが印象的でした。

隣家との間隔が2〜3メートル、屋上が園庭となる保育園

 待機児解消のために今年4月に開設される株式会社経営の三つの保育園を見学しました。開設場所は西日本最大級のマンションと宣伝され、日本製紙跡地(善源寺町:地下鉄都島駅徒歩圏)に建設されているセントプレイスマンション(総戸数1170戸)に隣接する2園(株式会社セリオ、株式会社ブロッサム)と地下鉄野江内代駅近くの1園(株式会社日本サービス)です。どの保育園も100坪にも満たない狭い場所に建設中でした。園庭のスペースがなく、屋上が園庭となる定員70〜80名の保育園です。1園はほぼ外観は完成していますが、隣家との距離は2メートル程度です。他の2園は建設中で、4月開設に向けて突貫工事ですすめているようです。4月開設に間に合うのだろうか、建築建材によるシックハウス(アレルギー反応)とならないか、近隣住民の理解と協力が必要ではとの感想が出ていました。

利潤が基準の株式会社で安心・安全の保育となるのか

 大阪市は、保育園認可には、社会福祉法人しか許可してきませんでした。しかし、橋下市長は、昨年から無資格の方でも参加できる保育ママ制度の導入や今年から株式会社の参入を認めています。また、保育の面積基準も条例で緩和し詰め込み保育が可能となっています。大阪市の保育が、子どもの成長を保障し、安心・安全の保育となるのか今後の検証が必要です。

ウォッチングを終えて

 街づくりの問題で住民が話し合う場が必要です。区役所に要請に行っても、相談窓口とならず、局へたらい回しされる場合が多いですが、区役所と交通局に何度も要求してきたことで、北部と南部を循環する路線バスが今年の4月から走ることになりました。このウォッチングを機会により多くの区民との対話をすすめ、街づくりに生かそうとの感想がでていました。